せっかくの注文住宅 間取りは「施主自身」が考えよう

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多くの住宅系YouTuberが宣伝している「間取り作成サービス」。
いくつかの簡単なアンケートに答えるだけで、複数の会社から最適な間取りを提案します」という、あの無料サービスです。

正直、「しつこすぎ!」って思うくらい、見かけますよね。加えて公式LINE登録への誘導とかもありますね。

ですが、無料であなたの為に尽くしてくれるような、そんなすばらしい世の中じゃないんです。絶対にどこかで儲けようと思っているんです。

って、あの宣伝が始まった瞬間に動画を見るのをやめてしまうのは、私だけでしょうか?
でも、本当にそんなサービスに頼っていいのでしょうか?

簡単なアンケートで「最適な間取り」が作れるわけがない

間取りは百人百様。住む人のライフスタイルや価値観によって、「家の数だけ、最適な間取りがある」と私は思っていますし、同じ場所に同じサイズで同じ予算で同じ家族構成でも最適な間取りはそれぞれ違うでしょう。

それを、画面上でポチポチと選ぶだけの簡単なアンケートだけで作れるわけがない。しかも無料で。

また、よくSNS(Xなど)でも「間取り添削してください!」と、作成された図面を投稿している方を見かけます。しかし、あれでどこまで確認できるんでしょう?

周辺環境がどうなっているのか、窓から何が見えるのか。家族は?趣味は?すべての人が回遊動線や広いリビングを望んでいるわけでもないし、収納の必要量も違う。何より、「その施主がそこでどう暮らしたいのか」という最も重要なバックグラウンドが、すっぽりと抜け落ちてしまっている場合がほとんどだからです。

間取りに最も重要なのは「周辺の環境」と「景色」

間取りを考える上で本当に重要なのは、土地の広さや形だけではありません。

  • 隣の家はどこに建っているのか?
  • どの方向から心地よい光が入るのか?
  • 窓からどんな景色が見えるのか?

こういった周辺環境を無視して、ただ部屋をパズルのように組み合わせただけの図面に、本当の価値はないと思っています。

例えば現在の我が家。ひな壇になっている土地ですが、南には隣の家の2階があります。
こんな状況で1階にリビングつくって大開口の窓つけても満足にカーテン開けられません。
箱庭や高いウォールで囲むか悩んだ末2階リビングにしました。おかげで日中はカーテン開けっ放しでも視線を感じること無く過ごせています。
ですが、南に家が無かったら1階リビングにしたでしょう。または東とか西とかもあったかもしれません。

本来であれば、住む人の希望をすべて丁寧に聞き出し、実際の土地のポテンシャルを現地で確認して、初めてまともな提案ができるはずなのです。
少なくとも現地を確認せずに間取りの提案をしてくるビルダーさんはとっとと見放しましょう。
そんなところにお任せしたら閉めっぱなしのカーテン、開けられない窓、くつろげないウッドデッキなんていう遺物ができてしまうかもしれません。

営業さんを挟んだ「伝言ゲーム」の限界

とはいえ、施主の立場からしても「自分がどんな家にしたいのか」を、すべて最初から言葉や文字に落とし込めている人は少ないでしょう。

そこでよくあるのが、以下のような流れです。

  1. 施主が「なんとなくの希望」を断片的に営業さんに伝える
  2. 営業さんが、そのメモを頼りに設計士さんに伝える
  3. 設計士さんが、一度も施主と話さないまま間取りを描く

このような「伝言ゲーム」で施主の細かなこだわりや本質的な希望が、すべて正確に伝わるわけがないですよね。まず希望が全部出ないし、途中で情報が劣化してしまうのは目に見えています。営業さんの力量に大きく左右されます。

だからこそ、私たちはこう考えました。

「自分たちがまずベースとなる希望の間取りを作って、それをベースに営業さんや設計士さんと制約や構造を考えて手直ししていく」

そんなやり方で進めるのが、一番いいんじゃないかなと思っています。

間取りを一から考えるのが難しいという方は、まず間取り集や事例集のような雑誌や書籍を1冊買ってみることをおすすめします。

気に入った間取りを、この後紹介する間取り作成ソフトで再現してみると、3Dで家の中を確認できます。そこから「ここはもう少し広くしたい」「収納を増やしたい」といった自分たちの希望を反映していけば、ゼロから考えるよりもずっと進めやすくなります。

間取りは平面図だけでは空間をイメージしにくいものです。3Dで立体的に確認できるようになると、印象は大きく変わります。

一方で、「無料で間取り集プレゼント」といったハウスメーカーのサービスは、資料請求と引き換えに営業の連絡が来ることが少なくありません。もちろん、すべての会社がそうではありませんが、営業を避けたい方は、多少お金がかかっても本を購入した方が気楽だと思います。

実際、私も軽い気持ちで申し込んだところ、すべての会社から電話がかかってきました。ほとんどの会社は断れば連絡が止まりましたが、1社だけは断った後も1か月ほど間隔を空けながら担当者を替えて連絡が続いています。無料サービスには、このような側面もあることは知っておいた方がよいでしょう。

また、「間取りや家づくりを一緒に考えます」と発信しているYouTuberやインフルエンサーもいますが、そんな人に頼るくらいなら自分たちの感性にあった話をしっかり聞いてくれて責任が取れる設計士を探すほうが良いのかと思ってます。

実録:今回の平屋も「自分の希望間取り」のまま形になりました

現に今住んでいる1棟目もそうですし、いま進めている2棟目である蓼科の平屋づくりもまさにそのやり方でした。

自分たちで間取りを作り、「こういう家にしたい!」と決めてからいくつかのビルダーさんでコンペ(比較検討)を行いました。

もちろん、私が出した間取りをベースに、それぞれのビルダーさんからプロの視点で若干の手直しを入れた提案はされました。しかし、今回最終的に決定した間取りは、パイプスペース(PS)を少し入れたくらいで、ほぼほぼ私の希望通りのまま作ることができました。

自由な間取りを貫いた代償として、「耐震等級3への構造強化のために費用が上がった」とビルダーさんから言われましたが……(笑)。

それでも、私はこれで大満足しています。 なぜなら、自分でとことん考え抜いた間取りですから、もし住んでみて後悔するようなポイントが出てきたとしても、その矛先は他人ではなく「自分」に向けられるからです。

せっかくの注文住宅、誰かが作った無難な間取りに大金を払うくらいなら、自分で考えて、納得のいく家づくりをしてみませんか?

もし貴方が理系で且つオシャレだけじゃなく強固な家造りをしたいのであれば、まずはこちらのYouTubeがオススメです。よくあるキラキラなエンタメ系YouTubeと違ってためになる部分も多い内容かと思います。

「構造塾」チャンネル 木造住宅の耐震性能を本気で考える
「構造塾」家づくり応援・業者マップはこちら「構造塾」木造住宅の耐震性能を本気で考える!㈱M's構造設計 代表/構造塾 塾長の佐藤実です(一部の界隈では「構造王」と呼ばれています・・恐縮です)「日本中の木造住宅を地震で倒壊させない!」の理念の...

また、色々なルームツアー等を見る際にもオシャレな家具や装飾に惑わされず間取りや動線、使い勝手に注目するようにしてください。

施主が自分で間取りを描くための「おすすめツール3選」

間取り作成ツールはたくさんありますが、実際に触ってみると「意外と使いにくいな…」と感じるものが多くありました。その中で、私が今回の家づくりでガッツリ使って役に立ったツールを3つご紹介します。

①マイホームクラウド(無料・お手軽系)

ブラウザ上でサクサク動かせる、非常にお手軽なクラウドサービスです。

マイホームクラウド
基本無料、インストール不要ですぐ使える間取り作成サービス。PC(Win/Mac)、タブレット、スマホに対応。マイホームを描いて即時に3D化。新築の検討に。リフォームの依頼に。
  • メリット: 面倒なインストールが不要で、無料プランのままでも大枠の間取りを考えたり、3D化して雰囲気を知るには十分すぎるほど機能が揃っています。
  • 注意点: 無料版で物足りなくなって「有料プラン」に切り替えようとすると、月額9,800円といきなり価格が高騰します。そのため、個人的には有料プランはお勧めしづらいです。

② 3Dマイホームデザイナー(買い切り・本格派)

もし無料ツールの枠を超えて本格的に作り込みたいなら、月額制のサービスに課金するよりも、このソフトを買い切ってしまうのが絶対にお得です。

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実は私は1棟目の家を建てる際、当時の古いバージョン(10か11あたり)を購入しており、今回もそれをそのまま使おうと画策しました。ただ、さすがに古すぎたのか、動作が不安定で使えないことが多く、かなりヒヤヒヤさせられました…。これなら「最初にケチらず、最新版を買い直しておけばよかったな」と少し後悔しています(笑)。
3Dで立体的に暮らしをイメージできるので、持っておいて損はない名作ソフトです。

③ Excel(エクセル方眼紙)

「えっ、エクセル?」と思われるかもしれませんが、これが意外と侮れません。セルの縦横比を同じにして「方眼紙」状態にし、パズル感覚で間取りを考えていました。

  • 最大のメリット:仕事中に家づくりの検討ができること(笑)

会社で仕事をしているフリをしながら、画面の片隅で黙々と間取りを考える。これ、結構やっていました。
ていうか仕事してるつもりだったのに気づいたら方眼紙になってた。。。
もちろん3D化して部屋を見渡すような機能はありません。ですが、「この部屋は横に何マスだから……あ、〇坪になるな」という計算が瞬時にできるため、頭の中のアイデアをラフに落とし込む叩き台としては抜群に役立ちました。

まとめ

せっかくの注文住宅、誰かが作った「無難な間取り」や「簡単なアンケートの回答」に何千万円もの大金を払うのはもったいないと思いませんか?

ビルダーさんへ行く前に、まずはエクセルでも無料ツールでも何なら紙を切り貼りして作っても構いません。自分たちの手で、納得がいくまで「理想の暮らしのパズル」を動かしてみることから、本当の楽しい家づくりが始まるはずです。

実は私自身、土地やビルダーさんを正式に決定するよりもずっと前の段階から、間取りについてはひたすら試行錯誤を繰り返していました。期間にして数ヶ月、ほぼ毎日あれこれと頭を悩ませ、色々な土地を見行く際に、この土地ならこんな間取りがいいなとか、かなり考えていたかと思います。

他人から見れば「まだビルダーも決まっていないのに」と思われるかもしれません。
でも、それほどまでに間取りというものは、家づくりにおいて「一番の肝」であり、時間をかける価値がある重要な要素だと私は確信しています。

皆さんも誰かに丸投げする前に、ぜひ一度、自分だけの理想のパズルを自分の手で動かしてみてください。

 

 

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